ジョブレスマンの漫画感想ブログー時々漫画以外も

見た漫画やアニメの感想とか考察をします

鬼滅の刃が人気になった要因(中年以降のおじさんにも人気?)

 

 鬼滅の刃がすごい人気になった。連載初期よりそこそこの人気はあったが、それでも時々本誌上位に食い込むぐらいで、基本的には真ん中ぐらいにいたようなイメージ。いや、ほんと曖昧な記憶だけど、アニメ化まではジャンプ本誌のトップにはいなかったように思う。光るものは確実にあった。かなり序盤の修行の話。狐面の錆兎と優しい女の子真菰。この話は本当、せつなくて、どこか温かくて、短編としてしっかりまとまっていて素晴らしい。修行の話って結構退屈になることが多いんですけど、ここでこの鬼滅の世界観がかなり表現されている。残酷で、でも優しくて、だから辛いし、怖い。抽象的な表現を並べてしまいましたが、そんな感じ。とにかく、大正を舞台にした和風ファンタジーで、最近のジャンプ漫画に少なかった「キャラの死を象徴的に且つ情緒的に描く」という、漫画として光るものは確かにあったんですが、しかし果たしてここまでの人気になるものかと言われれば、どうなのかなと。まあ、アニメ化ブーストと言ってしまえばそれでおしまいになってしまうわけなんですが、少し別の側面から考えてみようかなと。

 ちょっとヒントになったのが、テレビで有吉とか明石家さんまとかも嵌ってるって言ってたんですね。まあ、この二人が今から書く理由で好きになったかはわかりませんが。それは、ワンピース、ハンター、ナルト、ブリーチ以降少年ジャンプで複雑になったシナリオ、つまり組織図とか3対立構造とかを捨てて、それ以前の、聖闘士星矢とか北斗の拳とかみたいなわかりやすい正義の組織VS悪の組織にしたこと。戦隊ものみたいなね。ワンピとかハンターとか、ナルトもブリーチもだけど、二対立でもなければ、三対立でもなかったりする。人間関係が絡み合って、ぶっちゃけちゃんと追って読んでないとしんどくなったり、わからなくなったりしちゃう。ワンピとかハンターって言ったけど、ドラゴンボールフリーザ編ぐらいからちょっとシナリオが入り組み始めてる。まあワンピとかはさらに複雑だけど。鬼滅は本当にわかりやすい。敵の組織がいて、味方の組織がいて、だから子どもに受けるし、おっさんにも受けたのかなと。こういうのでいいんだよ、って。主人公も、冴羽とかケンシロウみたいに男らしいって感じはないけど、くよくよ複雑に悩むタイプじゃない。真っすぐに、不幸に立ち向かっていくタイプ。昭和の朝ドラの主人公みたいなね。これも中年より上のおっさんおばさん(おばさんにも受けたのかな?)に受けた理由のような気がする。

 ま、だからこそ、30も間近のワンピ世代の私には物足りなかったりする。せめて漫画のアクションシーンがもうちょっとかっこ良かったらね。ぶっちゃけキングダムのファルファルファル並みにひどくね?なんて、思ったり、思わなかったり。でも、最初にも書いたけど、残酷で、でも優しい感じは、最近のジャンプにはなかった雰囲気でやっぱり売れるだけの素地はあったのかなと。実は6巻までしか読んでないんですけどね。